ずっと気になっていた映画、Amazon プライムで無料だったので本日鑑賞しました。
1人で観て良かったと思うほど際どいシーン、そして声を上げて泣くシーンがありました。
あらすじ
1979年のカリフォルニアが舞台。
ショーダンサーのルディと弁護士のポールがあるきっかけからダウン症の少年・マルコを育てる。
親から愛情を受けずに育ったマルコも次第に心を開き、笑顔を見せる幸せな日々。
麻薬中毒の母親が逮捕されている中、2人は養育権を得るために法廷で戦うが、世間のゲイカップルへの偏見に阻まれてしまう。
感想
最後の数分は号泣しました。
<マイノリティ×マイノリティの世界>
LGBTについて
この映画が放映された翌年の2013年にカリフォルニア州ではゲイカップルの結婚がふたたび解禁されましたが、それでもまだ世間の偏見がなくなったわけではありません。
私はちょうど2012年〜2013年にカリフォルニア州サンディエゴに留学中だったこともあり、LGBTが比較的自由に過ごせる環境を目にしてきたことで、あまり偏見は無い方だと思います。
※(Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)
高校時代は廊下を手を繋いで歩く女の子達が「あの子達レズらしいよ。」と言われているのを聞くと、「え〜。」とは思っていました。
留学中は学校でもゲイの友達はいたし、興味本位でLGBTのイベントも観にいったし、日本に帰国して転職してからも同僚に1人ゲイの方がいました。
彼に言わせると、「ゲイではなくLGBTと言うんですよ。」と言われてしまいますが、ここではあえて表現をこのままにします。
同僚は半分アメリカ人、半分日本人なのでそういうことが比較的オープンに話せますが、彼の恋人の日本人の方はやっぱり隠しているみたい。
ゲイであること=異常、人と違う、という「客観的」な価値観により、ふたりの愛情が認められず「普通」の生活を送ることができない。
それでもマルコを心から愛し、しあわせにすることができるのは2人しかいないと感じさせられるし、それが理解されない社会にすごくもどかしく感じる映画。
ダウン症について
冒頭から法廷までずっと思ってしまったことは
「私はこの子を引き取りたいと思えるか。」です。
法廷でのポールのセリフでこういうものがあります。
「誰も、太っていて、背が低い、知的障害のある子どもを欲しいと思わない。僕たち以外には!」
恥ずかしながら、そうだな、と思ってしまったし、このふたり以外に任せられる人はいないと思ったし、ふたりはどうしてマルコを引き取りたいと思ったのだろうと思ってしまいました。
たぶん私は無意識に自分のことを「普通」だと思っているから、「普通ではない」このふたりだからこそ「ダウン症」という「普通ではない子」を育てる勇気や愛情深さを持てたのだろうと思います。
「偏見がない方だと思います。」なんて言いながら、持っているんですよね、様々な分野でひどい偏見を。「偏見がない。」なんて思っている方が罪かも……
そのことで自分を責める必要はないと思うし、誰かを責める必要もないけれど、少し複雑な気持ちになり、なんだか考えさせられる映画でした。
ゲイカップルの際どいシーンや女装の衣装などがあるので、そういったことに嫌悪感のある方は観ないほうが良いですが、偏見のある方も無い方も、全ての人に観て欲しいと思う映画です。
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